賃貸の新居を選ぶ際は住宅情報の家賃を見てそれを判断材料にすると思われます。家賃は安いに越したことはありませんが賃貸を契約する際に支払う必要のある初期費用は家賃だけではありません。しかも住宅情報に初期費用でかかる全ての金額が表記されているとは限らないので契約時に初期費用が思っていたより高くてびっくりした経験がある人もいるのではないでしょうか。
今回は賃貸契約時にかかる初期費用についてご紹介します。契約時に支払わなければならない費用の種類と金額の相場、そして初期費用を安く抑えるための節約方法も併せてご紹介します。
賃貸契約時にかかる初期費用の種類
まずは契約時の初期費用の種類とそれらの意味をご紹介します。
敷金
敷金と礼金は住宅情報の家賃の項目付近に表示されています。敷金とは大家さんに払う預け金です。もし入居中に借主が家賃を支払うことが出来なくなった場合、この敷金を一時的に利用して未払いを回避します。賃貸契約が終了する際にそれまで家賃の未払いが一切無く室内の過度な欠損・汚損などがなければ最終的に返金(クリーニング代を除く)されます。関西地方では「保証金」という呼び方をすることもあります。
礼金
礼金も敷金と同様に大家さんに支払います。しかし礼金は「謝礼」の意味が込められているので返金されることはありません。
前家賃と日割り家賃
賃貸契約時は基本的に契約した月と翌月分の家賃を同時に支払います。その際に翌月分(前家賃)は1か月分、日割り家賃は契約日からその月の残りの日数を日割りで計算した金額です。例えば3月15日に契約した場合は4月分(前家賃)と残りの3月15日~31日までの計17日分を同時に支払う事になります。
管理費・共益費
住宅情報の家賃の下に管理費か共益費のいずれかが小さく表記されています。これは家賃と同じく毎月支払わなければならない費用なので契約時も1か月分支払います。
仲介手数料
こちらは契約した不動産会社に支払う仲介手数料です。
火災保険料
火災保険料はその名の通り住宅が火災に見舞われた時に使用する保険です。賃貸の入居者は全員が火災保険の加入を義務付けられています。基本的には2年契約となっているので契約年から2年毎に支払う必要があります。
保証会社利用金
賃貸を契約する際は保証人が必要になります。多くの人が両親や家族を保証人として契約しますが保証人がいない場合は保証会社と契約を交わすことになります。その際に「保証料」という名目で保証会社に費用を支払います。保証人が要る場合は不要です。現在は保証人より保証会社利用が主流です。
鍵の交換費用
賃貸住宅では防犯のために入居者が変わる際に玄関の鍵を交換しています。その鍵の交換費用は新たな入居者が契約時に支払うことになります。
ハウスクリーニング・害虫駆除費
賃貸住宅では以前の入居者が転居した後あるいは新たな入居者が入る前にハウスクリーニングを行います。その費用は契約者が支払いますがクリーニングが入るタイミングはそれぞれの不動産会社によって違います。
引越し代
不動産会社に支払う費用とは別の初期費用です。距離や荷物の量によって金額は変わりますが各種割引サービスを利用すれば安く抑えることも出来ます。
以上の様な初期費用が発生します。ただしこれらは必ず全てを支払う義務があるわけではありませんし、これ以外の別の費用を支払う可能性もあります。詳しい初期費用は契約前に不動産会社に問い合わせる必要があります。
賃貸契約の初期費用の相場
上記の初期費用を考慮すると一般的な初期費用とはどれくらいかかるのでしょうか?今回は初期費用として最低限必要とされる「敷金」「礼金」「前家賃」「日割り家賃」「仲介手数料」「火災保険料」「鍵交換代」「引越し代」を元に計算しました。
■単身者の場合 家賃7万円(日割家賃は月中15日に入居として計算)
敷金 礼金 前家賃 日割家賃 仲介手数料 火災保険 鍵の交換費用 引越し費用 14万円(2ヶ月) 14万円(2ヶ月) 7万円 3万5000円 7万5600円 1万5000円 1万円 3万円
合計金額 51万5600円
参照元:https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00082/
■ファミリーの場合 家賃12万円(日割家賃は月中15日に入居として計算)
敷金 礼金 前家賃 日割家賃 仲介手数料 火災保険 鍵の交換費用 引越し費用 24万円(2ヶ月) 24万円(2ヶ月) 12万円 6万円 12万9600円 2万円 2万円 6万円
合計金額 88万9600円
参照元:https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00082/
この様に単身での引越しの場合約51万円、家族で引越す場合約88万円の費用が予想されます。「敷金」「礼金」「仲介手数料」は家賃の金額に基づいており、「火災保険料」と「鍵交換代」はどの賃貸でもほとんど変わりません。よって家賃の金額が料金相場に大きく関わって来ると考えられます。
初期費用は節約出来る?
賃貸契約の初期費用は家賃以外にも多くの費用を必要とするのでかなり高額になってしまいます。そんな賃貸契約の初期費用ですが節約することは出来るのでしょうか?
初期費用は安くできる!
節約できるかどうかの答えですが「可能」です。ただし全ての物件が節約できるわけでなく金額が安い物件や初期費用そのものがかからない物件を探すことがポイントとなります。
初期費用の節約方法①ゼロゼロ物件を探す
ゼロゼロ物件とは敷金と礼金が共にゼロ(無料)の物件を意味します。敷金と礼金は昔からの名残として今でも残っていますが、それぞれが家賃1~2か月分もかかるので初期費用の中でもかなり負担が重い部類に入ります。そんな敷金と礼金が一切かからない物件があるとしたらかなりの金額を節約に繋がります。
敷金と礼金は大家さんに支払われる費用なのでゼロゼロ物件は一見すると大家さんが損してしまうと思われがちです。しかし大家さんにとっては物件がいつまでも空室のままであることの方がよっぽど迷惑なので敷金と礼金が無くても月々の家賃が支払われるのであれば十分利益になります。
賃貸を探す側としても敷金と礼金は無いに越したことは無いので双方ともにWinWinな関係になれます。現在は一人暮らし用の集合住宅を中心にゼロゼロ物件が浸透しつつあるので探してみる価値ありです。
ただし敷金を払わないということは入居中に家賃の未払いになってしまった場合の保証が無いという事になります。そうなったら最悪の場合強制退去となってしまう可能性もあるので十分注意して下さい。
初期費用の節約方法②フリーレントを探す
フリーレントとは入居後の1~3か月間の家賃が無料になる物件です。上記で言う前家賃や日割り家賃が不要になります。これも大家さんが空室を作らない為の工夫です。契約時にまとまった費用が払えない人は狙ってみるのも良いでしょう。
ただしフリーレント物件を一定期間内に解約した場合通常の違約金に加えてその期間内の家賃も請求されます。また期間終了後の家賃は近隣の似た様な物件の家賃よりも割高に設定されている事があります。そのため契約したら一定期間内は絶対に解約しない事と長期間入居し続けると家賃が割高になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
初期費用の節約方法③月末に契約する
初期費用の中で簡単に金額を減らすことが出来るのが日割り家賃です。これは契約する日にちを月末にするだけで安くなります。例えば3月10日に契約した場合は残りの20日分を支払わなければなりませんが、25日に契約すれば5日分のみで済みます。しかも31日に契約すれば3月分の日割り家賃は無しになります。これは不動産会社の担当者に相談すれば調整してもらうことが出来ます。
初期費用の節約方法④仲介手数料を無料にする
仲介手数料は物件を紹介してくれた不動産会社に支払う費用ですが上手く交渉すれば手数料を無しにすることも出来ます。物件の中には不動産会社が紹介するのではなく自社で所有している物件もあります。この場合、仲介する立場の人間がいないので仲介手数料が不要になります。
あるいは大家さんが代わりに仲介手数料を支払ってくれるケースもあります。これはゼロゼロ物件の理由と同様で空室が中々埋まらないと大家さんは多少初期の収入が減ってでも入居者から毎月の家賃を支払って欲しいと考えているからです。その場合仲介手数料が無料あるいは半額になることもあります。
しかしこの場合ただ単に金額が減るわけではなく、初期費用が少ない代わりに毎月の家賃が相場より高くなっていることもありますので注意して下さい。
番外編・初期費用の対処方法:分割払いにする
クレジットカードによる分割払いを利用すれば金額そのものは節約できませんが初期費用の支払い額を抑えることは出来ます。
これまでの家賃及び初期費用の支払い方法は銀行振り込みが主流でした。しかし近年ではクレジットカード決済も普及しつつあります。これはクレジットカード会社と提携している不動産会社によって行われているサービスで一括払いだけでなく分割やリボ払いを選択することも出来ます。
その場合、不動産会社指定のクレジットカードを新たに作成する必要があります。しかしカード作成は無料で行えるので問題ありません。
家賃が安い物件を探す方法
家賃が安い事はその他の費用も安くなることを意味するので初期費用削減に繋がりますし、分割払いなどの長期的な支払いを考慮すれば尚更お得です。では家賃が安い物件を探す方法はあるのでしょうか?
①1月末~2月後半の期間で探す
物件の家賃や費用は時期によって大きく変わります。よく不動産屋は5月・6月が狙い目であると言いますが意外に知られていない狙い目は1月末~2月後半になります。
この時期は学生や社会人の引越しが多い3月・4月の1か月前なので、賃貸契約の中にある「一か月前退去告知義務」に基づいて退去の連絡を大家さんあるいは不動産会社に連絡する人がたくさん出て来ます。
そのため1月末~2月後半は一番多くの物件との出会いがある時期なので条件の良い掘り出し物に出会える確率も高いです。
②最寄り駅から徒歩11分以上
賃貸を探す際に最寄り駅から近い距離に立地している物件はとても人気があります。しかも徒歩10分以内だと最寄り駅まで歩く事が苦じゃないので倍率も高くなり家賃も高くなります。逆に徒歩11分以上だと「駅まで歩いて通えない」と考える人が出て来るので倍率も低くなり家賃も安くなります。
車や自転車をお持ちの方あるいは駅まで歩くのが苦じゃない方は賃貸を探す際に最寄り駅までの距離に余裕を持って探すと安い家賃に出会える可能性が高くなるでしょう。
引っ越し費用を安くする方法
賃貸契約とは別になりますが引越し代も高額な費用の一つです。そんな引越し代を少しでも安くするためには一括見積サイトを利用するのが便利です。自分の条件や引越しの規模・場所・日時などを入力すれば数百社に及ぶ引越し業者の中から最も安い会社を探してくれます。また3月中旬から4月中旬までの引っ越し料金は通常の1.5倍~2倍になっています。
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まとめ
賃貸契約の初期費用は相場だと家賃の4~5倍はかかるのでついつい高くなりがちです。しかし各種費用のかからない物件や時期を調整する事で初期費用を節約することは出来ます。くれぐれも無駄な費用は支払わないように気を付けましょう。